色彩

浅葱色した夜明け前の空の重さがいとおしかった。
木のオルガン、叩き続ける。流れる血は唐紅。

ボクはボクじゃない他の何かがいい。
静物になってキミの画用紙で眠ろう。
ボクを見つめ、塗り潰し、呼吸すらも許さず、
キミの中に隠して欲しいのです。
そしたらキミになれるかしら?

ココロの痛み、捨て切れれば、カラダもいつか痛みを失くす。

ユメの中で生き残る自我。眠るだけの無色の今。

ボクがボクじゃない他の誰かならば、
この重い空の色も、濁った血の色も、
まるでなかった事の様に生きてゆけるでしょうか。
声が出ない。苦しい。喉がイタイ。
今すぐここから飛び降りたい。

やさしすぎる、おんなじすぎる怠惰な朝。おわりの色。

眠る事がこんなにも恐いなんて。
少しずつ削れてく純粋すぎる時。
眼が覚めたら何色になってるのかな。
明日の空もキミもボクの絶望すら。
ぼくはずっと、キミになりたかったんだ。
壊れたオルガン叩く。痛みはやがて消える。
サヨナラ。キミになりたかった。
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