最後のコイン

夜明けの駅の電話に
もたれて 泣きながら
最後のコインが 落ちるまで
黙ったまま そのままで

時の流れの中に
二人暮らした 大阪
一人出て行く 俺に小さく
ふるえる声で 「行かんとって…」

子供みたいに わがままな俺
愛してくれた 死ぬ程
お前の温もり 風に感じながら
悲しみに 心 溶かしてく

明け行く空が滲んで
星が 消えて行く
お前の写真を 握りしめて
黙ったままで そのままで

電話の声が 涙でふるえる
さよならが 言葉にならない
二度とこの街 戻ってきたからあかん
夢を その手に つかむまで

電話の声が 涙でふるえる
さよならが 言葉にならない
待ってて欲しい 帰るその日まで
思い出 詰まった この街に
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