鷹匠

飄々(ひょうひょう)と…
何に逆らう 訳じゃない
どんぶり幾つの 飯よりも
たったひと粒 夢を喰う
さくさくと さくさくと
鷹の翼が 吹雪(かぜ)をきる

雪山に…
空を睨んで 仰ぎ起つ
大地を無頼(ぶらい)の 友として
群れずひるまず 独り行く
しんしんと しんしんと
鷹の温みを 腕に置く

山に生き…
山に死ねたら それでいい
ブリキのバケツで 水を汲み
いのち至福を 噛みしめる
ひゅるひゅると ひゅるひゅると
鷹の背中を 吹雪(ゆき)が消す
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