比叡の雪

紅葉(もみじ)の匂い嗅(か)ぎつけて
木枯らしが吠えながら
比良(ひら)から駆けてくる
恋に背(そむ)かれ夢を裂(さ)かれて
さ迷う比叡のひとり旅
山が泣いたら雲が泣いたら
女が泣いたら からんころんと
からんころんと 雪が降る

指輪の傷跡いたわれば
なぜ涙止まらない
大原三千院
帰る場所(ところ)も陽だまりもない
さすらう比叡のひとり旅
山が泣いたら雲が泣いたら
女が泣いたら からんころんと
からんころんと 雪が降る

彩(いろど)る横川(よかわ)の夕暮れに
琵琶湖(びわ)越(ご)えの北風(かぜ)が吹き
煙雨(えんざめ)凍らせる
こんなわたしは忘れていいわ
さ迷う比叡のひとり旅
山が泣いたら雲が泣いたら
女が泣いたら からんころんと
からんころんと 雪が降る
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