夕月の宿

二人このまま 逃げようと
優しく私を 抱き寄せた
無理と知りつつ 嬉しさに
その手にすがり 泣きました
暮れて寂しい 夕月の宿

二人見上げた この月を
忘れはしません 別れても
あなたお願い それ以上
私のために 泣かないで
運命(さだめ)哀しい 夕月の宿

朝に消えゆく 月のように
抱かれてこのまま 消えたいの
いいの今日まで 愛されて
一生分を 生きました
秋の終わりの 夕月の宿
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