花一花

これはこの世にふたつとない
花の咲く木でございます
今宵あなたに捧げます
死ぬまでに一度だけしか 咲けない花を
棘(とげ)で守って生きたのは
今日という日のああ ためでした

泣いているのは嬉しいから
ずっと夢みた絵のように
帯はやさしくほどいてね
死ぬまでに一度だけしか 咲けないならば
明日のことなど聞かないで
今宵一夜がああ 一生よ

熱い吐息に触れるだけで
棘(とげ)が落ちるの身体から
これが素顔の私です
死ぬまでに一度だけしか 咲けない花は
あなただけしか愛せない
あなただけしか ああ 咲かせない
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