組曲「義経」~悪忌判官

賽の河原に 打ち捨てる
誓いを染める 白旗
裂ける血汐 闇に啼いて
錯誤を匕とす

伽藍堂の正義と
現世の渾てを
呉れてやる 此の悪の力で
代価に 愛の証を呉れないか

眩く満ちる朝と
苟且の天を
呉れてやる 此の夜の力で
帷を 染め往く 白

西の彼方に 押し寄せる
祈りを込める 白浜
哮る肉を 闇に投いで
覚悟は一つと

伽藍堂の正義と
現世の渾てを
呉れてやる 此の悪の力で
代価に 哀の言葉を呉れないか

眩く満ちる朝と
苟且の天を
呉れてやる 此の夜の力で
帷に 散り逝く 赤

昏き み空は
心まで 癈に堕ちる
赤い膿も 白い衣も
黒き傲りに澱み

伽藍堂の正義と
現世の渾てを
呉れてやる 此の黄泉の力で
代価に 燃える最期を呉れないか

眩く満ちる朝と
苟且の天を
呉れてやる 此の愛の力で
幾瀬も 栄ゆるは 黒
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