醍醐桜

吉念寺の醍醐桜 山里の丘の上
千年の時を越え この世に 何を見てきた

春を告げる 見ごろ時は 見物の人だかり
あぜ道まで車で埋まる 村人は それがまた 嬉しい

数十人ばかりの 山間の里には 若い人がいない

桜を守ろう 歴史を守ろう
村人は 口をそろえて言うのさ
最近になり 桜の周りの 田畑さえ潰した
あぁ 大切な 樹の命のため

農業はもうダメだと 老人がつぶやく
働いた汗と思い出 染みついた土地はもう 駐車場

町に出た人が また村に戻った PR活動したいと

年に一度 たった一度
親戚や古い友達に会える
生きててヨカッタ 桜のお陰よ
一人暮らしのおばあちゃんは笑う

桜を守ろう 歴史を守ろう
村人は 口をそろえて言うのさ
年に一度 たった一度
千年の時を越えて
あぁ 満開の見事な桜
あぁ これはお伽話
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