HEIDI

ハイジ、目を閉じたままで思う。
狂った世界、行き場のない魂を。
ハイジ、その目に映るのは何?
モミの木の下?
燃え上がる山の景色?

誰の悲鳴も、壁に閉ざされた太陽も、
誰の怒号も、手を触れるあの感触も、

ハイジ、この世界は走り出す。
特別なルール、誰の顔も見えないよ。
ハイジ、聞こえるのはどんな音?
窓叩く風?
暖炉ではじける炎?

誰の悲鳴も、壁に閉ざされた太陽も、
誰の怒号も、手に触れるあの感触も、

もうバスはここにはない、
そう乗り遅れたみたい。
もうバスはここにはない。
取り残されて泣き出した。

もう夏は戻らない、
そう理由なんていらない。
もう冬はドアの外、
干し草のベッド、小さなランプ。
想像の世界、重ねたら。
×