My Cousin

真一文字に結んだ唇で
軽く肩先触れた僕をにらむ
はしゃぎ回った 昨日の君じゃない
ほんの一年 過ぎただけなのに

たった一つ 年下のいとこ
ひと夏だけ へだててふいをつかれる変化
胸元から 腰つきまで
あらためて見て ため息をつく

一列ごとに砕ける波を見て
言葉は何も口から出てこない
去年ボートで 沖まで漕ぎ出して
無防備に脚を 投げた君なのに

恋人より かえってむずかしい
薄目開けて そっと覗いて観察したら
確かに今 魅力的な
君を見てると ちょっと照れ臭い

風景は同じでも 確実に人は変わっていく
懐かしい風が吹き 目を閉じて昔を思えば
そこに 無邪気な君 飛び跳ねてる

いつもよりもまぶしい水平線
太陽だけのせいではないはずさ
これからもっと 変わって離れてく
月日の流れ 憎みたい気分

それでもまだ 時々少女で
砂をかけて 舌を出してはいたずらする
いとこ同士 くやしいけど
今年は一人 ボートを漕ぐ
今年は一人 ボートを漕ぐ
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