北の海峡

北へ行く船に乗る 港桟橋は
寒さこらえる 人ばかり
あなたから 出来るだけ
遠くと決めた 旅なのに
いたい いたい 血がにじむ
夜の海峡
あゝせつない わかれ雪

海鳴りが窓ゆする さびれ港宿
屋根が歯ぎしり 夜泣きする
酔うほどに さみしさが
氷柱(つらら)になって 恋しがる
つらい つらい やるせない
爪のさきまで
あゝ泣いてる 未練です

海峡に雪が舞う ここは港町
鉛色した 空と海
捨てきれぬ 恋だけど
死ぬ気になれば 生きられる
風よ 波よ ぶたないで
北の海峡
あゝせつない わかれ旅
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