椿ちる宿

風の噂を 追いかけて
今日も逢えずに 日が暮れる
椿ちるちる 山の宿
谷の瀬音の 谷の瀬音の
唄かなし

白い湯けむり ゆれる道
君に似ている 女(ひと)がゆく
あれは他人と 知りながら
うしろ姿が うしろ姿が
なつかしい

おもいとどけと 面影を
抱いて湯ぶねで ひとり泣く
椿ちるちる 山の宿
更けていつしか 更けていつしか
雨の音
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