浮き草人情

あんな亭主(ていしゅ)と 笑わりょが
惚れて連(つ)れ添(そ)や わたしの命
浮き草人情 合縁奇縁(あいえんきえん)
極楽トンボに なさけをかけて
着のみ着のまま ついて来た

鯵(あじ)のたたきに 燗(かん)つけて
酔えば嬉(うれ)しい おもいで月夜
浮き草人情 八百八橋……
泣きごと言う間にゃ 尽(つ)くすと決めて
耐(た)えてしのんだ 露地(ろじ)ぐらし

金は無(の)うても えやないの
辛抱がまんが なんぼのもんや
浮き草人情 こころは錦……
明日(あした)を信じて 夫婦(めおと)が咲かす
花を散らすな 春の風
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