利休絶唱

天下人でも 頭を下げて
くぐる数寄屋の にじり口
人に上下の ないのが茶の湯
千利休の 点(た)てる茶は
侘(わ)びと寂(さび)との 黒茶碗

明日のある身を どうして絶った
お吟哀しや 痛わしや
親の想いが 解るか花も
咲いたばかりの 詫助(わびすけ)が
今日も一輪 泣いて散る

造り物なら いつかは朽ちる
天にそびえる 聚楽第
今宵詰腹 切らされようと
誰か伝える 後の世に
一期(ご)一会(え)の 茶の心
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