モノクロビタミン

介在ぶら下がる世界で 誰の声も投げやりにかわす
甲斐々々しく鳴るベルを背に 叫びながら走り出していた

散々呆れる程の嘘 擦り込まれてイヤイヤに笑う
段々こじらせていく夢 一度捨てて楽になって

また流されていくように 朝と夜繰り返し
ほら、モノクロの僕がいた

泣き出したくなる様な空が静かに
「ここへおいで?」と、手を差し伸べて
嘲り笑う いつも
届かない歌声を詰まらせたまま 汚濁にまみれた姿で
傷口塞がる前に もっと彩度切って潰して

吐き出したくなる程 詰め込まれていた
痛み、罪禍を融かしてくれる
誰かを探す ように
取るに足らない今日に閉じ込められて
「これが全て」と、頷き 耳を塞いだまま
もっと僕を消して

泣き出したくなる様な空を見上げて
「翼をください」なんて言葉は
浮かびもしない けれど
誰かに聞いて欲しい歌があるから
それでも手を伸ばしてみる
いつか望んだはずの 今日と明日と僕が微笑う
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