初恋夜道

瞬きよりも短く燃えて 煙になったあの夏を
永遠よりも長い時間が流れても忘れないだろう

君の隣で 行き場をなくし 迷子になった僕の右手
絣浴衣の薄牡丹色 その横顔がまぶしかった

高く空を馳せて消える夢花火 通り過ぎた風が揺らす後れ髪
人波によろめいて 君の肩が少しだけ僕に触れた

初恋夜道 心が今 月灯りに濡れて駆け出す
胸の奥で音を立てて想いが弾けた

ひとつひとつ灯りを落とし 華やいだ祭りが終わる
君と足音並べた家路 言葉が上手く繋がらない

星の雫 街に降らす天の川 ふたつ伸びた細く淡い影法師
息を止め 水の中飛び込むように君の手を握りしめた

初恋夜道 心が今 月灯りに濡れて駆け出す
君は何も言わないまま ただ ただ 握り返した

巡る季節 残された夏 さよならさえも置き去りにして
君の声が遠ざかっていく 瞬きよりも短く燃えて

初恋夜道 夏の風を追いかけて 会いに行けたら
途切れ 途切れでも伝えよう 想いを思い出に出来ない

迷子のままの僕の右手を迎えに来て 君の左手よ
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