鉛の塊

穏やかだ 何も無い
友達は皆死んだ
昼下がり 微睡んで
横たわる鉛の塊

言わないで その先を
取り戻す術など無い
『大丈夫、この儘で何処までも行ける』

飛び立って消えて行く島達の姿を
取り残された様な心持て見送る

君が居て 夜が明けて
日が暮れて 私が居る
掌に汗を掻き 毎日を漂う人に

見せないで その先を
何処へ行く宛など無い
『大丈夫、この儘で何処までも行ける』

飛び立って消えて行く鳥達の姿を
取り残された様な心持て見送る

呼ぶ声がする
誰かが待っている
そんな夢を見た

訊かないで その訳を
語り果て灰になる
消えないで灯 胸に咲け
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