戦場宵待草

待てど暮せど 来ぬ戦友(とも)を
呼べど芒(すすき)の 風ばかり
日暮れりゃ 鳥も帰るのに
ああ戦友は 帰らぬか

暮れて万里の 長江の
水の流れに 漂うは
夕べの霧か 砲煙か
今宵は月の 影もなし

更けて雨ふる 塹壕に
戦友(とも)を想えば 眠らりょか
目覚めて歌う その唄も
宵待草の やるせなさ
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