彼女が愛した朝食

また同んなじ夢。おはよう私。

時計の針は健気に六時を指す

しわくちゃな空に今日もアイロンがけ
いつも通りの毎日に はじめまして

からだ中を使って
立っているのがやっとだなんて
小さな幸せに肩をあずけて
まだ起きていたいよ

彼女が愛した朝食
お日様の匂いがした
甘くて不安になる
マーガリンを薄くのばして
冷たくなったスープを大事そうに一口だけ
彼女はいつだってそうした
そこには永遠があった

また同んなじ夢。おはよう私。

時計の針は健気に六時を指す

影はひとりで歩いてゆく
大切な秘密を持ったまま

本当の私はあなたの瞳が映してくれる
心が千切れても体が覚えているから

彼女が愛した朝食
お日様の匂いがした
甘くて不安になる
「もしも時に置いてかれても、
私の為の今日がある。あなたがいる。」
彼女は いつかそう言った

彼女が愛した朝食
お日様の匂いがした
甘くて不安になる
マーガリンを薄くのばして
冷たくなったスープを大事そうに一口だけ
彼女はいつだってそうした
そこには永遠があった
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