君はともだち

こわされたままの遊園地
木枯らし吹く スタジアム
君のエンジのマフラーには
白い犬のブローチ

風のように過ぎてく日々の中で
偶然と宿命の君と僕だから

散らばった人の波が
埋もれる交差点
君を見失いそうな
落ち葉がとんでゆく

あれから何度もすれ違っては
長い髪を切って君は結ばれる

君はともだち いつでもそばにいるよ
君はともだちだから忘れたりしない

まつげを伏せたしぐさも
少し大人びて
最後に細い指先が
僕の口に触れ

風のように過ぎてもさよならは見えない
偶然と宿命の君と僕だから

君はともだち いつでもそばにいるよ
君はともだちだから忘れたりしない

あれから何度もすれ違うたび
一瞬と永遠は同じものだから

静かに出てゆく君の車を追って
遠ざかる船に投げるような届かない花びら

君はともだち いつでもそばにいるよ
君はともだちだから忘れたりしない
×