水路

Long time ago
この小径沿いに
水の流れがあったという
緑溢れ木陰は黒い宇宙
ポケットの中手をつないだ

一時の安らぎに身を任せて
どこまでも溺れてしまえば

流れるこの時がもう二度と
戻ってこないなんて
思わないだろう
一寸先の光
それもすぐ思い出になる
過去を変えたいなら今を重ねるしかない

Long time ago
この先のどこか
命を捨てた人がいたという
自分の中潜む獣に
飲み込まれてしまうのか

掴みきれぬ不安に身をこわばらせ
目を閉じて耳を塞げば

流れるこの時を綺麗なままで
止めてしまえるなんて
哀しい勘違い
見知らぬ世界へ
放り出されてみればいい
明日を手繰り寄せる今を始めるしかない

流れるこの時が見えなくなって
消えてしまっても
誰にも奪えない
見知らぬ世界へ
放り出されてみればいい
明日を手繰り寄せる今を始めるしかない
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