今日が雨降りでも

駅前の停留所 小さな赤い車
ドアを開けてすぐに ビニール傘が開く
土砂降りの雨がただ 音を立て打ち付ける
赤いワンピースが グレイに煙ってる

記憶はまだ雨降りでも
スローモーションに変わってる
あの時言えてない言葉
いまも覚えている

記憶の中だけ いまも聴こえてる

あんなに恋は淡い 水色をしてた
どんなに早いペースで 流れたとしても
岸の近くを見れば 若い青さはじけた
奥の方は深く 急流で濁ってる

今日はここが雨降りでも
昨日からまだ止まなくても
濁流 飲み込まれながら
海にたどり着いている

グレイの海は 夜更けまで重い

あの時ドアを閉めて 世界は変わってた
最後の音が鈍く 耳に残っていた

心はまだ雨降りでも
今夜もまだ雨降りでも
明日はきっと晴れるから
夜明けはきっと近いから

当たり前で疲れる

どうしてなんだろう
この雨にもっと浸りたいなんて
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