想い出にしたかった

ためらいがちに 改札を抜けると
なつかしい街 ここで生まれた
見覚えのある 笑顔は かわらず
ゆるんだほほに 涙がこぼれた

「想い出に したかった
振り返りたくなかった
涙をみせないで いたかった」

わかってたつもりだった 何度もいい聞かせた
終わった恋ならば そっと 風に消えて

永遠の日々 駆け抜けて輝く
ちいさな星を いとおしく想う
変わらない事 愛だと信じても
うそのつけない 瞳を憎んだ

想い出にしたかった
自分らしくいたかった
見失う心が つらかった

友達も いらなかった ただ見つめていたかった
なくした恋ならば そっと 風に消えて

窓を打つ細い雨は 心をまどわせて
はてしない夜の海を 超えて走る

「想い出に したかった
振り返りたくなかった
涙をみせないで いたかった」

瞳を 憎めなかった
ここから 動けなかった
あなたを 捜してる 今も ……
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