相惚れ仁義

お控えなすって。手前、生国は摂州、浪花。
水の都の大川で産湯を使った商人(あきんど)の倅(せがれ)贅六でおます。
いや、ござんす。
兄さん。ご丁寧な仁義と云いたいところだが、
わっちは今日限り無職渡世の足を洗おうと
思ってたところなんでェ。
さよか、エエこときいた。ほなどないだ?
わてと一緒になってくれまへんか?
何云ってやんでェ。べらぼうめ!!

月はおぼろに十三、七つ
私しゃ数えて二十歳(はたち)と三つ
女盛りの花一輪が
何の因果か賽の目ぐらし
馬鹿じゃ 馬鹿じゃないかと烏が騒ぐ

訊(き)いちゃいけない 身の上話
オレも云うまい去りにし夢を
やくざ渡世に引導渡し
足を洗って出直さないか
それが それがいいよと啼く揚げ雲雀

どうだいお若いのいける口かい。一杯やっか?
へぇ、ほな三々九度と願えまへんか。
そりゃあ段取りが早すぎるんじゃねぇか?
えゝことは早けりゃ早いほどよろしおま!

あれが世間の食(は)み出し者と
人が指さす 似たもの同士
それも今日まで 明日の空は
きっと青空 日本(にっぽん)晴れだ
これが これが二人の相惚れ仁義

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