フランチェスカの鐘

あゝ あの人と別れた夜は
たゞ何んとなく 面倒くさくて
左様ならバイバイ 言ったゞけなのに
フランチェスカの 鐘の音が
チンカラカンと鳴り渡りゃ
胸は切ない 涙がこぼれる
なぜか知れない この悲しみよ

あゝ ふたゝびはかえらぬ人か
たゞひとめだけ 逢いたいのよ
愛しているわ 愛しているのよ
フランチェスカの 鐘の音が
チンカラカンと鳴り渡りゃ
声をかぎりに あなたと呼べど
人はかえらず こだまがかえる

フランチェスカの 鐘の音よ
チンカラカンの 鐘の音よ
心も狂う未練の言葉
せめて一度は つたえておくれ
×