絵日記 (薔薇色の人生)

鬼蜻蜒(おにやんま)は日溜まりトンボ
夕焼けに染まって飛んでった
水遊びは縺(もつ)れる光の輪
しぶきあげあげ虹の中
膝を抱えて笑っているのは
足りない何かへの懐かしさ
おさげの髪が笑ったら
翻(ひるが)える夏が溶けていく
わらぶき屋根は朝顔だいて
軒の下でひと休み
浴衣の裾をすぎていく風が
忘れたらあの日を唄ってる

深閑お宮のゲタの音
日傘回れば蝉の声
夕暮れ蛍は食いしん坊
団扇の風に水探し

赤と黄色のパラソル揺れて
笑顔をつくって待ってます
足りない何かをまってます
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