ヤードセールの元老

“元老”はクリーピーな 深紫のズートスーツ
アライグマと洗ったブーツ
やぐるまぎくのブローチ

オークショニアのよう 儀礼的なスタイルで
待ちに待った人々に 売りに出してる

“元老”のヤードセール
ワードローブや蓄音機や
真鍮(ブラス)フックや ピンボールが
目が眩むように並ぶ
“元老”のヤードセール
ホラー映画のピンナップや
スケート靴やハイヒールの
競売(ロッド)ナンバーを叫ぶ
“ヤードセールの元老”

ミシン台をぶった切った
カウンターに座り チョークボードの値段を眺めている

“元老”のヤードセール
ワードローブや蓄音機や
シルクハットや ピンボールが
踊り出しそうに並ぶ
起爆装置のように回り出すレコードや
パルプ雑誌の7インチのコレクションが並ぶ

“元老”のヤードセール
彼が葉巻をくゆらせたら
売りに出す気のない 最後のがらくたを見せてくれる
この世界はまだ 知らない出来事や 謎が溢れている
惑星 惑星 優しい人達が住む
と彼は言う

「How much is this?」
『55』
「can it be lower?」
『54』
「a little bit more!」
『50』
「done!」
『You got a deal』
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