波止場のおんな

波のしぶきが おまえの涙で
むせぶ霧笛は 男のしのび泣き
何処に行ったか 波止場のおんな
浜木綿(はまゆう)みたいな やさしい笑顔
今すぐ逢いたい 帰っておいでよ…

日暮れカモメに 噂たずねても
知らんふりして ねぐらへ急ぐだけ
何処に行ったか 波止場のおんな
縁日がえりの ガラスの指環
倖せすぎると 甘えていたのに…

みなと酒場の 赤い灯火(ともしび)に
今も泛(う)かぶよ 別れのうしろ影
何処に行ったか 波止場のおんな
あんなに一途に 愛したふたり
も一度逢えると 信じているのさ…
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