異端者たちの悦楽

解き放てよ 倒れ伏しても
慾は栄えて 非道無常幻惑
快楽の園 追われるほどの
罪ならもう一滴も
残ってないだろう

紫紺の寂(しじま)破り頽れたる膚の
いと白き皮剥げば紅疼く肉塊

この世に僕らが
芽生えたあやまち
蔑んで詰り合おう
痛みは裸になってゆけばいい

突き動かせ 未だ足らない
恐るるほどの 嗜虐被虐魅惑
快楽は園 風は喘いで
絡まる荊の下で
果実は弾けよう

微醺の毒は詩う捲られたる耳に
麝香に鼻腔は濡れて獣めく追憶

崇める君子は
此処には不在で
故に皆甘んじて
エロスの奴隷に取って代わらん

焦がれ堕ちる 逆しまの罠
泥濘るむ土で 破壊甦生転生
奈落の森 月は孕んで
死を患い
なお人は生に瀕している

解き放てよ 倒れ伏しても
悪に栄えて 外道無情幻覚
失楽の地 追われる如く
夢魔ならまだ一刻に
返り咲くだろう

突き動かせ 未だ足らない
恐るるほどの 嗜虐被虐魅惑
快楽は園 風は喘いで
絡まる荊の下で
果実はもがれよう
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