わたしは慾望という名の處女

もしもココロが
臓器みたいに
この肉体から
取り出せるなら

あなたに渡すのに

わたしが独り老いても
それは何も知らぬまま
氷のガラスの中で
煙りもせず泳いでいる
脚を開けぬ
人魚のように

そうして守りたい
たった一度の想いなの

もしも背骨が
突き破るように
トゲ生やして伸び
肌覆うなら

わたしはわかるのに

おのれの祈りの痛み
叫ぶこともしたでしょう
恐れの切尖に触れ
流すことが赦されたら
清らかな血で
生まれ変われた

抑えた想いはもう
割れない卵で腐るの
×