BAR酔芙蓉へどうぞ

ウヰスキーはいかが
飲みたい気分でしょ
竹林 風を抜け
お出であそばせ

辿り着けたらあなた
乾杯をしましょ
窓の月
切子のグラスに溶かして

たまには浮き世離れ
しずかに時揺蕩う
酔郷の桃源郷
爪に点した緑蛾の灯り
どなたも知らない
秘密の話でも

絽の帯のうしろ
白狐の尻尾
見え隠れしたなら
お酔いの証拠ね

色恋は化かし合い
騙されて幸せな
可愛い女もいる
ほらあなたの帰りを
待っているひとが見える
夏の嵐のなか

私の名 酔芙蓉
うす紅から紅い
その記憶は色づく
目醒めたあとは消えてゆくけど
だけどまたいつか
逢いに来てくださる?

おひとりで
夢の浮き橋渡って
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