おんな炭坑節

赤い煙突(えんとつ) 目あてに行けば
米のまんまが 暴(あば)れ食(ぐ)い
歌う戯(ぎ)れ歌 ボタ山暮らし
もっこカンテラ ヘルメット
掘って掘って また掘って
惚れた男の 黒い汗

稼(かせ)ぐ日銭(ひぜに)は 一升ビンに
代えてさわいで カラにする
花も季節も ない地の底にゃ
泥(どろ)にまみれた 夢がある
掘って掘って また掘って
汽車を汽船を 走らせる

月の差し込む ハモニカ長屋
私ゃあんたの 腕の中
絹の布団(ふとん)に くるまるよりも
炭坑(やま)の男は あたたかい
掘って掘って また掘って
明日は地獄の 一丁目
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