雲のゆくえ

夏草の濃碧色(みどりいろ) 揺らすように風は過ぎて
照り返すあの渚 色褪せぬ遠い夏の日

行く先を知らない雲は 何処を見ながら向かう そして

今も胸に残るあの日のぬくもりと
重ねた指先は
星のない季節を越えて遥かに届き
忘れない今も

汐風のこの香り まぶしくて閉じた瞳
あの夏の想い出は流れゆく雲に似ている

寄せ返す波音聴けば あふれる思い 夢のかけら

あたたかな手のひら、あの日の楽しさを
右頬(ほほ)が忘れず
時を越えてここでもしも出会えるのなら
離さない二度と

こころのままもしも
あの時あなたを
抱きしめていたら…

過ぎた日々を今も心までせつなく
思い出すときには
重ね合わせた胸の中 ぬくもりの旋律(うた)
忘れない
忘れない今も
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