冬は悲しい夢を

雪降る町 雪積む町
旅人が似合う北の駅は
誰もみな無口になり
顔をうつむけ
何か占う

この私も 手を重ねて
乗りかえの汽車を待っていたわ
無茶はいけないよと
声をかけられ
そっとうなずく

冬は悲しい夢を
いつも見させるのです
だからこうして ただひとり私は
逢いに来ました

窓ガラスに 雪の花が
はりついて外は吹雪いている
高い靴ではもう
歩けないほど
雪は降りつむ

冬は悲しい夢を
いつも見させるのです
だからこうして ただひとり私は
逢いに来ました
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