カフェレーサー

タンデムシートはシングルに取り替えた
風切る前傾のフォルム

アッ危ないぞ! そのスピードじゃ
計器類見る余裕なんてない

無垢のテーブルに散らばってる
意味を失くしたパーツ
珈琲の香りがすべてを 過去の色にしていく

後ろで「キャッキャッキャッ」ってはしゃぎながら
胸の膨らみ押し付けた
屈託のないあの笑い声
トンネルの向こうに 置き去りのまま

タンデムシートはシングルに取り替えた
突破する弾丸のカウル
アッ危ないぞ! その運転じゃ
バックミラー見る余裕なんてない

太陽の熱を帯びたまま 肌は火照り続け
容赦なく忍び込んだ 夜の気配に焦る

後ろで「キャッキャッキャッ」ってはしゃぎながら
ホットパンツのモモ ブルわせた
屈託のないあの笑い声
陽炎の向こうに 置き去りのまま

頼りなく仄暗いヘッドライト 電球は換えたばかり
大丈夫だ 心配するな 夜明け前が一番暗い
夜明け前が一番暗い 夜明け前が一番暗い
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