死んで名前を 残すとも
生きて名誉に 溺れ泣きを見たり
取らぬ狸の 皮算用
過ぎたるは 及ばざるが 如し説に夙に
身から平伏した

壱富士 弐鷹に参狸
笛吹けど踊らず 満月の夜を待つ
花持ちならぬは 花持たせ 世は
文殊の知恵よ

渡る世間は 鬼ばかり
法があるから 罪がひとり歩き
聞いて極楽 見て地獄
腹の虫 収まらない時は 枕高く
眠り臍(ほぞ)を噛む

朝風呂 昼寝に腹鼓
断末魔知らずに 千年の時を越え
人里離れた 宿の夜 詩は
浮世の知恵よ

ワ(ハッ)シ (ハッ)チハ (ハッハッ)カイナンテ
(ハッ)トエ イ(ハッ)ク (ハッハッ)カレタッテ
ゼッ(ハッ)イ イ(ハッ)シマセン

山のあなたの 空遠く
人を呪わば 穴がふたつ増えて
知恵の数より 毛が多い
満月に 逆立ちして 虎の尻尾よりも
犬に恩を着る
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