哀愁の街に霧が降る

日ぐれが青い灯 つけてゆく
宵の十字路
泪色した 霧がきょうも降る
忘られぬ 瞳よ
呼べど並木に 消えて
あぁ 哀愁の街に霧が降る

花売り娘の 花束も
濡れる 十字路
のこる香りに あまく思い出す
過ぎし日の あの夜は
カラー・フィルムのコマか
ああ 哀愁の街に霧が降る

せつなくふるふる 身も細る
霧の十字路
窓を洩れくる 唄もすすりなく
なつかしの ブローチ
肌につめたく 沁みて
ああ 哀愁の街に霧が降る
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