十六夜

曇天直下の雨が ど頭つらぬいた夜に
眠たそうな両目を 無理やり開けられるよ

頷くだけの顔は 運命に並ぶ黒蟻
彼方に舞う希望を お空に拝んでいる

描いた未来が 紙屑になる前に
寝ぼけた現実 叩き潰せ

十六夜の僕ら 集まった光のように
いざ宵の果てに 灯した淡い灯り

貧相な手首掻っ切って いたずらに並べた傷を
悲しそうな両目で ぼんやり見つめていた

繕うだけの顔は 白に憧れる黒サギ
何かを変えたくって 涙はこぼれている

弱った心を 何かで支えたくて
預ける身体を 探している

ほら横を向けば 傷持った心ばかり
ふらふらの足は 誰だってみんな同じだから
さあ行こうか 僕らが今始める世界へと

存在論 幸福論 どっちが邪論?正論?
信憑性 欠如個性 はいはい五月蝿え常識

招く 明日は 敵か 味方か
あちら? どちら? 誰も知らない
ほらほら夜明けはすぐそばに

僕等十六夜に 集まった光を持ち
いざ宵の果てに ほらもっと灯りをともすのさ
さあ行こうか 僕らが今輝く世界
「未来」へ
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