街の風景

その女性(ひと)は今足早に歩き始める
いつもとおんなじ通りを
なのに どこか新しい自分を感じて

昨日職場で言われた何気ない言葉
だけどちょっぴり優しくて
ひとりぼっちじゃないこと噛み締めてた

このまま
柔らかい気持ちが
このまま
胸に溢れてきたら
迷いや疑いややっかみは
口元を緩めるかな?

できるなら
汚れない心で
できるなら
嘘のない言葉で
自分や他人やこの世の中と
ちゃんと向き合っていきたい

ラララララララって笑って...
ラララララララって歌って...

そんなこと
考えて歩く昼下がり

あの作家は今原稿とにらめっこしてる
やっとのこと書き上げた物語が
ひどく退屈に感じて

なんの気無しにペンを走らせて書いた
若かりし日の作品が
恨めしいほど自分を型にはめてく

このまま
時間だけが過ぎて
このまま
自分を越えられずに
自信やアイデアや情熱は
痩せ細っていくのだろう

できるなら
何もとらわれずに
できるなら
何もこだわらずに
笑いや涙や大きな希望を
見事に描きあげたい

ラララララララって笑って...
ラララララララって歌って...

そんなこと
考えタバコに火をつける

そして僕は今君の帰りを待っている
昨日途中で終わらせた
話し合いの続きが僕らにはある

昨夜深くまで険悪な雰囲気のまま
2つの主張は平行線
もう熱はなく フリーズして動かない

このまま
甘い幻想は醒めて
このまま
現実に飲み込まれて
若さや不器用や正直は
次第に鼻についてくるだろう

できるなら
おおらかな愛で
できるなら
優しい眼差しで
やっと見付けた愛すべき人の
手を取ってずっと生きていたい

ラララララララって笑って...
ラララララララって歌って...

そんなこと
考えて今君を待ってる

ラララララララって笑って...
ラララララララって歌って...

そんな日々が
ずっと続いていくなら
×