夏の夢、君は幻

空に咲く花火がほら 消えても焼き付いてる
夜空が焦げた匂いに 記憶のドアが開く

日常を少し離れ ぬるいビール片手に
虫の歌だけが響く 夏草に誘われて

君の幸せ願ってたつもりが
どうやらそれも嘘だったみたい
今さら君を抱きしめたくても
交わることのない未来

会いたくなったよ 忘れられないよ
甘くて切ない風の匂い
真夏の夢に浮かんだ君の幻は
あの日のように 笑いかけてくれるのに

提灯の明かりよりも やわらかい灯火を
消したのは僕の方だね 今では後の祭り

見覚えのある白いワンピース
思わず振り返ってしまうけど
不意に弾んだ呼吸を抑えて
瞼の裏問いかける

でも会いたくて 忘れられなくて
喉にはつかえたままの言葉
水面に揺れる花火が夜に溶けたとき
触れられない 季節がまた過ぎてく

会いたくなったよ 忘れられないよ
甘くて切ない風の匂い
真夏の夢に浮かんだ君の幻は
儚く遠ざかってく

でも会いたくて 忘れられなくて
喉にはつかえたままの言葉
水面に揺れる花火が夜に溶けたとき
触れられない 季節がまた過ぎてく
×