氷見の雪

能登から涙が 追いかけて
氷見(ひみ)の港で 雪になる
愛の名残りは この掌(て)の中に
大事に包んで いるけれど
寒すぎますよ おんな独りは
一緒について 行きたかった

今では漁り火 見えなくて
氷見はひっそり 白い色
恋の火をつけ 炎(も)やしておいて
男のひとって 無情(つみ)ですね
死にたいほどの こんな切なさ
あのひと知って いるのでしょうか

この海吹雪(ふぶ)けば あのひとは
氷見へ戻って 来るかしら
それが幻想(ゆめ)だと 判っていても
忘れはできない おんなです
一筋眉を 強く引いたら
明日は春が くるでしょうか
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