君がいたから

なにもない海沿いの小さな町は
僕たちの青春を燃やした町さ

それとなく待ち伏せた憧れの君
肩並べ帰る道夕陽が染める

ふるさとの夢を見るたびに
よみがえるあの空
ありがとう思い出を
君がいたから

図書館の片隅で借りたノートも
学校の裏道の小さな店も

分け合ったひと皿のお好み焼も
青春のまぶしさに輝いていた

あの頃の胸のときめきは
いつまでも消えない
ありがとう思い出を
君がいたから

好きだよとひとことが言えないままに
近づいた卒業の春の足音

城山の公園のベンチにかけて
たわいないおしゃべりの花が舞い散る

ふるさとの海に吹く風は
少しだけせつない
ありがとう思い出を
君がいたから
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