もどりゃんせ

駅裏の五丁目に
小さなお店を借りました
間口二軒の いっぱい呑み屋
あなたの名前を一字とり
「繁」と屋号をつけました
もどりゃんせ もどりゃんせ うちのひと

日盛りの掘割りに
番(つがい)のつばめが飛んでます
相も変わらぬ ドブ川なれど
今年もきれいな睡蓮が
季節忘れず 咲きました
もどりゃんせ もどりゃんせ うちのひと

お馴染みも この日頃
どうにか四、五人 つきました
やって行けそう 女手だけで
けれども足りないものがある
それは恋しい 人の顔
もどりゃんせ もどりゃんせ うちのひと
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