春蝉

人の心は 変るというが
いいえ逢うたび 好きになる
小枝だきしめ 啼く春蝉の
声を窓辺で ききながら
わかる気がする 忍び宿

添えぬさだめと あきらめながら
人を恋する 身のつらさ
はなればなれに 電車に乗って
あなたくるかと 待ちわびる
宿の時計のおそいこと

思い叶わぬ 恋なら熱く
いのち燃やして 終わりたい
逢えば一夜で 別れにゃならぬ
恋を恨んで ちぎり灯の
かげで小夜着(さよぎ)の 帯が泣く
×