お母さん

どなたですかと 他人のように
わたしを見上げて きく母の
笑顔は昔と 変わらぬものを
いいのよ いいのよ お母さん
やせた手をとり うなずきながら
あふれる涙が 止まらない

苦労親坂 女手ひとつ
なりふりかまわず 五十年
働き続けて くれたんだもの
いいのよ いいのよ お母さん
淡い陽射しの 硝子戸越しに
今年も咲いてる 花すすき

母の背中で ねんねの歌を
きかせてもらった あの道を
今度はわたしが おぶってあげる
いいのよ いいのよ お母さん
心やさしい みんなの中で
いのちを灯して また明日も
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