波止場酒

旅のさむさに わびしさに
小瓶片手に あおる酒
すすり泣いてた あの娘(こ)の声が
海鳴り遥かに 呼んでいる…
俺も人の子 人恋しさに
泣けてきそうな 波止場酒

どんなやんちゃな 事でさえ
いつも許して くれたっけ
たった二才(ふたつ)の 年の差なのに
おふくろみたいな 女(やつ)だった…
酔って見上げる あの西空に
星が流れる 波止場酒

酒の力を 借りてさえ
おもいきれない じれったさ
最後のひと口 飲み干しながら
しあわせ遠くで 祈ろうか…
はぐれカモメよ おまえもひとり
どこへ帰るか 波止場酒
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