青い背広で

青い背広で こゝろもかるく
街へあの娘と 行こうじゃないか
紅い椿で ひとみも濡れる
若い僕等の 生命の春よ

お茶をのんでも ニュースを見ても
純なあの娘は 佛蘭西人形
夢を見るよな 泣きたいような
長いまつ毛の 可愛いゝ乙女

今夜云おうか 打明けようか
いっそこのまゝ あきらめましょか
甘い夜風が とろりと吹いて
月も青春 泣きたいこゝろ

駅で別れて 一人になって
あとは僕等の 自由な天地
涙ぐみつゝ 朗らに歌う
愛と恋との 一と夜の哀歌
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