小雨町

雨が涙を 誘うよに
女の胸を 濡らして行った
忘れなくては いけない人と
思うそばから また恋しくて…
あなたと歩いた あの日と同じ
日暮れ駅裏 小雨町

傘に隠れて 溜め息を
つくたび一つ 幸せ逃げる
いつも男は 気まぐれすずめ
知っていながら また夢を見て…
あなたに注(つ)がれた お酒のように
夜が切ない 小雨町

雨が思い出 運ぶから
独りがつらい 未練が重い
あてにならない 約束なのに
夜が来るたび また待ちわびて…
あなたに抱かれた 小部屋の窓に
灯りにじんだ 小雨町
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