さざんかの女

小さな花が 寒かろと
雪をはらって いたおまえ
さざんかに はつ雪の
降った朝……
花にもやさしい おまえを見たら
とても別れが 云えなかったよ

焚火をしてた うしろから
そっと目かくし したおまえ
さざんかの 花白く
匂う朝……
子供の時代に かえれるならば
生まれかわって 出直したいよ

憎んでいても そのうらで
涙ながして いるおまえ
さざんかの 実がひとつ
落ちた朝……
おまえに変わりが なければいいが
遠い空見て 胸がいたむよ
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