関の鯛釣唄

関の一本釣りゃナー
高島のサー 沖でナー(アラ ドッコイショ)
波にゃ揺られて
「サーヨー 言(ゆ)うたノー」(ソーレ)
鯛(たい)を釣るわいノー
(ハァ ヤンサノ ゴッチリゴッチり
船頭鰤(ぶり)かな 鯛かな)
「鯛じゃい 鯛じゃい」

釣って釣り上げてナー
生魚(なまいよ)にゃサー 立ててナー(アラ ドッコイショ)
大阪雑魚場(じゃこば)の
「サーヨー 言うたノー」(ソーレ)
朝売りじゃいノー
(ハァ ヤンサノ ゴッチリゴッチり
船頭鰤(ぶり)かな 鯛かな)
「鯛じゃい 鯛じゃい」

此団平船(こんだんべえ)で下(くだ)らす時ゃナー
腰の紺手拭(こんてぬぐい)どま 置きゃれナー(アラ ドッコイショ)
様を見る見る
「サーヨー 言うたノー」(ソーレ)
顔を拭(ふ)くわいノー
(ハァ ヤンサノ ゴッチリゴッチり
船頭鰤(ぶり)かな 鯛かな)
「鯛じゃい 鯛じゃい」

平瀬小瀬戸(ひらせこせど)にゃナー
白帆がサー 見ゆるナー(アラ ドッコイショ)
上(かみ)の釣り船が
「サーヨー 言うたノー」(ソーレ)
今が下りじゃいノー
(ハァ ヤンサノ ゴッチリゴッチり
船頭鰤(ぶり)かな 鯛かな)
「鯛じゃい 鯛じゃい」

「鯛なら跳(は)ね込め 鰤なら釣り込め」
×